2015年2月25日水曜日

Quick Silver!

 歳をとるごとに好きな音楽が増えてきた。昔は聴いても退屈だった音楽が、ある日突然「あれ?待てよ」と、急に面白くなる。お陰でレコードは増えるばかり。「こんなにあっても聴かないだろうな」と、正直思う。もともと物には執着しない性分でもある。引っ越しで大量処分したこともある。しかし、レコードはそれを聴いていた当時を思い出させてくれるアイテムでもある。少し前に友達が遊びに来たとはには久々にNewtown Neuroticsを聴いた。相変わらず最高だった。だけどやっぱり、ちょっぴりほろ苦くなっていた。

最近では3年くらい前からマジになってJazzを聴くようになった。購入するレコードも8割はJazzである。それまでもBilly HolidayとかChet BakerなどのJazz Vocalは好んで聴いていた。ロックに食傷したときの箸休めとしてBill Evansのピアノ・トリオ物なども手元にあった。
きっかけはArt Blakeyの"Night At Bird Land Vol.1"というLPであった。友人が「Jazz版のロコ・ライヴ(Ramones)だね」と形容するのも頷ける白熱のライヴ・アルバムである。昼下がりのティータイムにカフェで聴くための洒落たアレとはかけ離れている。スリリングでエキサイティングで汗臭い。そのエネルギッシュな演奏はR&RやPunkを基準に音楽を聴いている僕を充分に惹きつけたのだ。
特にコンボの音楽的リーダーとされるHorace Silverの書いた”Quick Silver”は繰り返し何度も聴いた。スウィングする4ビートの虜になった。それは僕にとって"これぞ、ハード・バップ"な一曲となり、Jazzへの重い扉をこじ開けた記念すべき一曲となった。
そしてこの曲もまた、いつか何かを思い出させる一曲になるんだろうなと思う。

変わらずファンキーなハード・バップは大好きである。しかし、今ではしっとりとしたピアノ・トリオも、混沌としたフリー・ジャズも聴くようになった。今のところ最も夢中になったプレイヤーはJohn Coltraneだったり、Bill Evansだったりする。つまり、Art Blakeyが開いてくれた扉の向こう側で、たくさんの音楽に出会うことが出来たというわけだ。
音楽を聴くことの醍醐味、ここに見付けたり!といった気分である。これからも素晴らしい出会いが待ち受けているに決まっているのである。これだから、止められないのである。

Enjoy Yourself

3月29日日曜は東京、鶯谷のWhat's Upにて、自主企画”Let's Get Lost”の3回目を予定してます。出演はBlockbusters、Gleam Garden、Winstonsに僕たちBalladmen。
今回もなかなかバラけた、しかし共通点はあるだろう(と踏んだ)キャスティングに拘ってみました。


自主企画のライヴって最高。自分らの好きな店で、好きなバンドだけを集める。客が入ろうが入るまいが自分らの責任。だから思いっきり好きなようにやる。続けるためにはある程度の動員は必要だけど、でも特別重要なことではないと思う。

最近ライヴに行ってよく思うのは、どんなジャンルのバンドでも、例えば自分が普段レコードでは聴かないような音楽でも「マジでやってます」ってことが伝わればガツンと来るんですね、ということ。何よりまず、自分自身が楽しむことが大切で、それって伝わるんだなあと、今更ながら納得している今日この頃でした。

あとひと月!

2015年2月15日日曜日

Home In My Hand

好きな曲をカヴァーするのは楽しい。じつに楽しい。
好きな曲を自分たちのアレンジで演奏し、歌う。
「こういうリズムはどうだ」とか「ここにギターソロを入れてやろう」とか、メンバーとワイワイやりながら既存の曲をいじっていく。ミュージシャンぽいね、と悦に入る。ステージでの得意げな顔。「レパートリー」とか言っちゃって。やめられない。
個人的には自作:カヴァーは8:2が好ましい。自炊と外食の対比率。基本的には自分で書いてるから、たまには人の歌も歌いたくなる。たまにやるから美味しい。こだわっちゃう。

 今回はBalladmenがレパートリーにしている"Home In My Hand"という曲を紹介します。
元々は1950年代の後半~に活躍したRonnie selfという名のロカビリー歌手が書いた曲。僕が最初に知ったのはイギリスのBrinsley Schwarzのカヴァーヴァージョンで、"Nervous On The Road"というアルバムに収録されている。
「家は自分の手の中さ」と言い、旅する旅人の歌で、歌詞がとても良い。それはまさに歌う人間の人生そのものを表現しているようでもあり、歌い手によってずいぶん違った印象を与えるのではないかと思う。なので、やはり、オリジナルのRonnie Selfの淡々としたダルな歌唱が、色々想像しちゃって好き。でもBrinsley Schwarzの、ギタリストの血が騒ぐオーバードライヴの効いたリフで幕を開ける怒涛のラケンローヴァージョンも悪くないよね。ロック最高!ってなっちゃう。
Dave Edmundsなんかもカヴァーしていて、もはやパブロックの定番らしい。
とにかく、カヴァーって楽しい。「次はどの曲やろうかな」なんて考えるだけで、眠れなくなっちゃうくらい。

"Home In My Hand" Balladmen

"Home In My Hand" Ronnie Self



2015年2月11日水曜日

Let's Get Lost!

  新しいメンバーが加入し、1年かかったが、ようやく昨年の12月に活動を再開することができた。ずいぶん長い間ほったらかしにしていたこのブログも再開することにした。自分たちのライヴイベントも、東京を中心に、なるべくコンスタントに企画していくつもりである。イベントのタイトルは"Let's Get Lost"に改めた。Chet Bakerの名唱で知られるJazzのスタンダードナンバーである。「消えていなくなろうよ。みんなのリストから僕らの名前を消してしまうんだ」と、朗らかに歌われるその歌詞は、恋に落ち、二人の世界に没頭する恋人たちの心情を歌ったものである。新しいタイトルを考えていたとき、ふとこの歌詞とタイトルが頭に浮び即決した。この歌詞のようにロマンチックな意味ではないが、自分のイベントのタイトルとしてはおあつらえ向きじゃないか、と思ったのだ。
一応、「自分らのルールで自分らがやりたいことだけをやっていく」という前向きな気持ちを込めているつもりである。他人がこさえたルールや「こうあるべき」的な押し付けのリストから、僕らの名前を消してしまうんだ!という意味なのである。

そして次回はこちら↓ よろしく!

"Let's Get Lost!" #3

03/29 (日) @鶯谷What's Up ¥1500
with/Blockbusters, Gleam Garden, Winstons